リーダーシップ論における「資質特性論」と「行動類型論」は、リーダーシップを理解するための二つの異なるアプローチです。
資質特性論 | ・リーダーの内在する特性や資質に焦点を当てる ・リーダーシップは生まれながらのもの |
行動類型論 | ・リーダーの行動に焦点を当てる ・リーダーシップは学習し、状況に応じて適応するもの |
資質特性論(Trait Theory)
- 定義: 資質特性論は、リーダーが持つべき特定の個性や特性に焦点を当てる理論です。この理論は、リーダーになるためには生まれながらにして特定の特性や資質を持っている必要があると考えます。
- 主要な特性: この理論では、リーダーが持つべきとされる特性には、自信、決断力、知性、社交性などがあります。
- アプローチ: このアプローチは、リーダーと非リーダーを区別する特性を識別しようとします。つまり、リーダーになるためには、これらの特性を持っているか、あるいはこれらを身につける必要があるとされます。
- 限界: この理論の限界は、すべてのリーダーが同じ特性を持っているわけではないという事実にあります。また、特定の特性があれば必ずしも優れたリーダーになれるわけではありません。
行動類型論(Behavioral Theory)
- 定義: 行動類型論は、リーダーの行動や行動様式に焦点を当てます。この理論は、リーダーシップが学習可能な行動であると考え、特定の行動が効果的なリーダーシップにつながるとします。
- 主要な行動様式: この理論では、リーダーの行動は大きく「タスク指向」と「人間関係指向」の二つに分類されます。タスク指向は目標達成に焦点を当て、人間関係指向はチームメンバーとの関係構築に重点を置きます。
- アプローチ: 行動類型論は、特定の行動様式が特定の状況でどのように効果的かを理解しようとします。リーダーシップは、適切な行動を学び、状況に応じてそれらを適用することで発揮されると考えます。
- 限界: この理論の限界は、すべての状況において同じ行動が効果的であるとは限らない点です。また、個々のリーダーの個性や文化的背景が行動に影響を与える可能性があります。