講義ノート

ゲーム理論の戦略まとめ|囚人のジレンマだけでないゲーム理論の面白さ

「囚人のジレンマ」でご存知の方も多いゲーム理論についてまとめました。

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有名なゲーム

囚人のジレンマ(Prisoner’s Dilemma)

これは非協力ゲームの典型的な例で、2人のプレイヤーがそれぞれ自分の利益を最大化しようとすると、両者にとって不利な結果に終わる可能性があることを示しています。

このゲームでは、2人の犯罪者がそれぞれ別々に尋問され、一方がもう一方を裏切ると有利な取引を得られるが、両者が互いに裏切ると両者ともに最悪の結果を受けるという状況が提示されます。

鶏ゲーム(Game of Chicken)

これは、プレイヤーが衝突を避けるために一方が避けなければならない状況を模倣するゲームです。

両者が避けない場合、最悪の結果(衝突)が発生しますが、一方が避けると、避けたプレイヤーが「弱い」と見なされる可能性があります。これは、危険を伴う競争状況や政治的な対立を分析するのに用いられます。

待ち伏せゲーム(Stag Hunt)

このゲームは、協力の重要性と信頼の問題を示しています。

プレイヤーは、協力して大きな報酬(鹿)を狩るか、単独で小さな報酬(ウサギ)を狩るかを選択します。もし両者が協力すれば、大きな報酬を分け合うことができますが、一方が協力しない場合、協力したプレイヤーは何も得られません。

財の公共供給ゲーム(Public Goods Game)

このゲームは、個人が公共財の提供に貢献するかどうかを選択する状況を模倣します。

個人が貢献すると、グループ全体が利益を得ますが、個人は自分の貢献分のコストを負担します。これは「フリーライダー問題」を示しており、個人が自分の利益を追求すると公共の利益が損なわれる可能性があります。

バトル・オブ・ザ・セクシーズ(Battle of the Sexes)

このゲームは、協力は望ましいが、プレイヤーが異なる好みを持つ状況を示しています。

例えば、パートナーが一緒に過ごす時間を望んでいるが、一方は映画を、もう一方はコンサートを見たいと考えている場合などです。このゲームは、コミュニケーションと協調が重要であることを強調しています。

最後通牒ゲーム

このゲームは、2人のプレイヤーが参加する交渉ゲームで、合理性、公平性、そして自己利益と他者の利益との間の葛藤を探るものです。

このゲームでは、一方のプレイヤー(提案者)がある額の資源(例えば、お金)をどのように分割するかを決定し、その提案をもう一方のプレイヤー(応答者)に提示します。応答者はこの提案を受け入れるか、拒否するかを選ぶことができます。もし応答者が提案を受け入れれば、資源は提案通りに分割されます。しかし、もし応答者が提案を拒否すれば、両者ともに何も得ることができません。

理論的には、応答者はゼロよりも多い任意の額を受け入れるべきですが、実際の実験では、人々は「不公平」と感じる低い提案を拒否することが多いです。これは、人間が単に金銭的な利益だけでなく、公平性や道徳性をも重視することを示しています。最後通牒ゲームは、経済的決定だけでなく、社会的な要因や心理的な要因が人々の選択にどのように影響を与えるかを理解するための強力なツールとなっています。

これらのゲームは、人間の行動、協力、競争、交渉、戦略的思考など、多様な状況を理解するための基本的な枠組みを提供します。それぞれが特定の社会科学的、経済的、心理学的現象を説明するのに役立つ洞察を提供しています。

ゲーム理論におけるゲームの類型

有名なゲームの他にも、独自の研究のためにゲームを考えたいという状況もあるでしょう。ゲーム理論は、参加者の動機、行動の選択肢、情報の可用性などによって多様な形式を取ります。以下に、ゲーム理論における主なゲームの類型を挙げます。

協力ゲームと非協力ゲーム

  • 協力ゲーム: プレイヤーが協力して共通の目標を達成するゲーム。プレイヤーは通常、事前の合意や契約に従います。
  • 非協力ゲーム: プレイヤーが独立して行動し、他のプレイヤーと協力しないゲーム。ナッシュ均衡の概念がここで重要です。

ゼロサムゲームと非ゼロサムゲーム

  • ゼロサムゲーム: 一方のプレイヤーの利得が他方のプレイヤーの損失と等しいゲーム。つまり、総和がゼロです。
  • 非ゼロサムゲーム: プレイヤー全員の利得の総和がゼロでないゲーム。協力や交渉によって、全員が利益を得る可能性があります。

対称ゲームと非対称ゲーム

  • 対称ゲーム: すべてのプレイヤーが同じ戦略のセットを持ち、同じ行動を取る場合に同じ結果を得るゲーム。
  • 非対称ゲーム: プレイヤーに異なる戦略のセットまたは異なる報酬が与えられるゲーム。

完全情報ゲームと不完全情報ゲーム

  • 完全情報ゲーム: ゲームのすべての側面(プレイヤー、戦略、報酬など)がすべてのプレイヤーに既知のゲーム。
  • 不完全情報ゲーム: プレイヤーがゲームの一部の側面(例えば、他のプレイヤーのタイプや利得)について不確実性を持つゲーム。

同時ゲームと逐次ゲーム

  • 同時ゲーム: プレイヤーが同時に行動を選択するゲーム。プレイヤーは他のプレイヤーの行動を知らずに選択を行います。
  • 逐次ゲーム: プレイヤーが一定の順序で行動を選択するゲーム。各ステージで、プレイヤーは前のプレイヤーの行動を知っています。

完備情報ゲームと不完備情報ゲーム

  • 完備情報ゲーム: ゲームの開始時に、すべてのプレイヤーがゲームの構造(戦略と報酬)を完全に理解しているゲーム。
  • 不完備情報ゲーム: ゲームの開始時に、一部またはすべてのプレイヤーがゲームの構造について完全な情報を持っていないゲーム。

純粋戦略ゲームと混合戦略ゲーム

  • 純粋戦略ゲーム: プレイヤーが確率的な要素なしに特定の戦略を選択するゲーム。
  • 混合戦略ゲーム: プレイヤーがランダム性を導入し、複数の純粋戦略の中から選択するゲーム。

ゲーム理論における戦略

ゲーム理論においてプレイヤーが取る戦略を挙げます。

ドミナント戦略(支配戦略)

ドミナント戦略は、プレイヤーが取ることができる行動の中で、他のプレイヤーがどのような行動を取ろうとも最も良い結果をもたらす戦略です。

この戦略を採用するプレイヤーは、他のプレイヤーの選択に関係なく、一貫して最適な結果を得ることができます。例えば、企業が価格競争で最低価格を設定することで市場を獲得する戦略などがこれに該当します。

ドミネーテッド戦略(劣った戦略)

ドミネーテッド戦略は、他の可能な戦略に比べて常に劣る結果をもたらす戦略です。

理性的なプレイヤーは、より良い結果をもたらす他の戦略が存在する場合、このタイプの戦略を避けるでしょう。例えば、高コストで低品質の製品を市場に投入する戦略がこれに当たります。

混合戦略

混合戦略は、プレイヤーが複数の純粋戦略の中から確率的に一つを選択する戦略です。

これは、予測可能な行動を避け、対戦相手を混乱させるために使用されます。例えば、ペナルティキックのシュート方向を決める際に、キッカーがランダムに方向を変える戦略がこれに該当します。

純粋戦略

純粋戦略は、特定のゲーム状況においてプレイヤーが取る特定の行動です。

この戦略では、プレイヤーは確率的な要素を使用せず、ある特定の行動を選択します。例えば、チェスでの特定の開始手順や、ポーカーでの特定のベット戦略などがこれに該当します。

協力戦略

協力戦略は、プレイヤー間の協力に基づいて行われ、グループ全体の利益を最大化することを目的としています。

これは、プレイヤーが競争ではなく協力を通じて、全体としてより良い結果を達成できる状況に適用されます。例えば、企業間の協業や国際的な環境保護協定などがこれに該当します。

非協力戦略

非協力戦略は、プレイヤーが独立して行動し、他のプレイヤーと協力しない戦略です。

この戦略は、個々のプレイヤーが自分の利益のみを追求する状況、特に情報が不完全または信頼できない状況に適しています。例えば、オークションにおける入札戦略や、株式市場における取引戦略などがこれに該当します。

ゼロサム戦略

ゼロサム戦略は、一方のプレイヤーの利得が他方のプレイヤーの損失と完全に等しい、つまり総和がゼロになるゲームに使用される戦略です。

この戦略は、相手の損失を最大化することで自分の利得を最大化することを目指します。例えば、賭け事や訴訟戦略などがこれに該当します。

非ゼロサム戦略

非ゼロサム戦略は、プレイヤーの利得と損失が互いに独立しており、協力によって全員が利益を得る可能性があるゲームに使用される戦略です。

この戦略は、共通の利益を追求し、”勝ち-勝ち”の状況を作り出すことを目指します。例えば、交渉戦略や共同事業戦略などがこれに該当します。

進行戦略

進行戦略は、ゲームが進行するにつれて新しい情報が得られ、プレイヤーがその情報に基づいて戦略を調整することができる戦略です。

これは、状況が変化し、プレイヤーがその変化に適応する必要があるゲームに適しています。例えば、政治キャンペーン戦略や市場投資戦略などがこれに該当します。

ナッシュ均衡とは

ナッシュ均衡は、すべてのプレイヤーが自分の戦略に満足しており、他のプレイヤーの戦略に基づいて自分の戦略を一方的に変更するインセンティブがない状態を指します。これは、各プレイヤーが他のプレイヤーの選択を最適に予測し、自分の最適な応答を行っている状況です。

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猿樂 昌之

猿樂 昌之

猿樂事務所(同 つむぐ人たち)の代表です。金融機関向け研修での補足情報や経営の知見を発信しております。よろしければSNSをフォローください。

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