『405事業』経営改善計画策定支援;DD・計画策定・伴走のための専門家費用補助金
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405事業とは
405事業とは、借入の返済が出来ない状態になった中小企業が、専門家に①DD(デュー・ディリジェンス)、②経営改善計画策定③伴走支援をやってもらう場合の費用を最大700万円補助する事業です。
金融支援を伴う本格的な経営改善の取組みが必要な中小企業・小規模事業を対象として、認定経営革新等支援機関が経営改善計画の策定を支援し、経営改善の取組みを促すものです。
中小機構
通常枠と中小版GLがあり、中小版GL枠の方が補助額が大きくなっています。
通常枠;最大310万円
DD・計画策定支援費用 | 2/3・上限200万円 |
伴走支援費用 | 2/3・上限100万円 |
金融機関交渉費用 | 2/3・上限10万円 |
中小版GL(ガイドライン)枠;最大700万円
DD費用等 | 2/3・上限300万円 |
計画策定支援費用 | 2/3・上限300万円 |
伴走支援費用 | 2/3・上限100万円 |
中小版GLとは
中小版GLとは、正式名称「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」といい、借入が約定通り返せなくなった中小企業に対し、銀行によって違ったり、場当たり的な対応をしていくのではなく、統一的なやり方(ガイドライン)を決めるので、それに則って実施せよ、という全国銀行協会の作成した支援マニュアルです。
経営改善に取組む中小企業者が難局を乗り切り、持続的成長に向けて踏み出していくためには、債務者である中小企業者と債権者である金融機関等が、お互いの立場をよく理解し、共通の認識の下で、一体となって事業再生等に向けた取組みを進めていくことが重要です。この「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」は、それらの取組みに関する方向性を取りまとめたものです。
全国銀行協会
中小版GLのポイント
中小版GLの要旨は以下の通りです。
中小企業を分類 | 中小企業の状態により、「平時」と「有事」に分けてそれぞれ対応方針が提示されている |
平時の 債務者 | ①収益力の向上と財務基盤の強化②適時適切な情報開示等による経営の透明性確保③法人と経営者の資産等の分別管理④予防的対応に努める |
平時の 債権者 | ①経営課題の把握・分析等②最適なソリューションの提案③中小企業者に対する誠実な対応④予兆管理に努める |
有事の 債務者 | ①経営状況と財務状況の適時適切な開示等②本源的な収益力の回復に向けた取組み③事業再生計画の策定④有事における段階的対応⑤ |
有事の 債権者 | ①事業再生計画の策定支援②専門家を活用した支援③有事における段階的対応 |
再生型 私的整理 手続き | 1.第三者支援専門家の選定、主要債権者への手続き検討申し出 2.(返済の)一時停止の要請 3.事業再生計画案の立案 4.事業再生計画の内容 5.事業再生計画案の調査報告 6.債権者会議(バンクミーティング)の開催と事業再生計画の成立 7.保証債務の整理 8.事業再生計画成立後のモニタリング |
廃業型 私的整理 手続き | 1.主要債権者への手続き検討申し出 2.弁済計画案の立案 3.弁済計画案の内容 4.弁済計画案の調査報告 5.債権者会議の開催と弁済計画の成立 6.保証債務の整理 7.弁済計画成立後のモニタリング |
DD(デュー・ディリジェンス)とは
事業再生におけるデュー・ディリジェンス(Due Diligence)は、企業が経営危機に直面している場合や再生が必要な状況で行われる、非常に重要なプロセスです。このプロセスでは、企業の現状を詳細に分析し、再生計画の策定に必要な情報を収集します。具体的には以下のような点が検討されます。
財務状況の分析:
- 財務諸表の詳細な分析
- 負債状況、キャッシュフローの分析
- 資産の評価(有形・無形資産を含む)
法的リスクの評価:
- 契約の履行状況
- 訴訟リスクや法的紛争の可能性
- 法的規制や遵守事項の確認
事業運営の分析:
- 市場環境、競合他社との比較
- 製品やサービスの市場での位置づけ
- 事業モデルの持続可能性
組織と人材の評価:
- 経営陣の能力と経験
- 従業員のスキルとモチベーション
- 組織構造とその効率性
経営改善計画とは
経営改善計画とは、事業再生を開始して、概ね以下のような条件を満たすように作成します。
含める 項目 | ・企業の概況 ・財務状況(資産・負債・純資産・損益)の推移 ・保証人がいる場合はその資産と負債の状況(債務減免等を要請 する場合) ・実態貸借対照表(債務返済猶予の場合は必須としない) ・経営が困難になった原因 ・事業再生のための具体的施策 ・今後の事業及び財務状況の見通し ・資金繰り計画(債務弁済計画を含む) ・債務返済猶予や債務減免等(以下、併せて「金融支援」という) を要請する場合はその内容 |
実質債務超過 の場合 | 事業再生計画成立後最初に到来する事業年度開始の日から5年以内に解消する |
経常利益赤字 の場合 | 事業再生計画成立後最初に到来する事業年度開始の日から概ね3年以内に黒字にする |
有利子負債/CF | 事業再生計画の終了年度(原則として実質的な債務超過を解消する年度)における有利子負債の対キャッシュフロー比率が概ね10倍以下になる |
経営改善計画の例
実際に経営改善計画の例が掲示されています。
中小企業庁/中小企業活性化協議会/経営改善計画策定支援より
所見:実務的にはどのような中小企業が有効活用できるか?
中小GL枠であれば最大700万円の補助金が出る(=1,000万円超の専門家費用が見込まれている)本事業は、それだけ再生対象にある企業では、計画策定やDD、計画の期中管理をすることが困難であることを示しています。
まずは、そうしたことが出来る人材が社内にいない、ということに加え、弊所としては、以下のような企業ではこの補助事業を有効に使えると考えます。
・経費削減により本業は早期にCF黒字にできる
405事業を検討するような中小企業が、早期に売上を上げる、というのは限りなく不可能です。したがって、収益の改善は経費削減が本線となるでしょう。
経費を使いすぎている・採算意識が乏しいといった場合であれば、専門家の指導・管理により経費(特に役員報酬や本社の家賃など)を削減することは可能です。
これにより、早期にキャッシュ・フローを黒字にでき、借入のCF弁済により借入残高を一定水準まで収束できる見込みがあれば、中小版GLに乗る可能性は高くなります。
・ドンブリ勘定ではあるが、粉飾や利益操作の水準まではいかない
ドンブリ勘定と粉飾・利益操作は紙一重ではありますが、中小企業のドンブリ勘定に対しては一定の理解が得られるものの、意図または重過失により粉飾・利益操作している場合は刑事罰にもなりかねないので、こうした補助金事業には向かないでしょう。
ドンブリ勘定 | ・法人と個人の境界線がない(役員貸付や借入が過多等) ・不良在庫がいつまでも滞留 ・収支管理をしていない 等 |
粉飾・利益操作 | ・架空売上を計上して利益をかさ増ししている ・グループ会社で売上を回している ・他社と融通手形をしている 等 |
尚、粉飾・利益操作をしたり、ドンブリ勘定でも決算書の内容が明らかに正確でないことを知りながら、金融機関等から融資を受けた場合、「融資詐欺」として詐欺罪に問われかねません。
・痛みを伴ってでも再生する意欲がある
事業再生に向かう場合は、当然のことながら、人員の削減や事業の縮小、そして債権者集会(バンクミーティング)の開催などで、経営者は多くの精神的苦痛を味わいます。
そうした痛みを伴ってでも、事業を再生する意欲が必要です。
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