マネーロンダリングの問題として捉える、「水原一平」元通訳の事件
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こちらの記事で書いた後、米国の捜査機関によるスピード解決で、MLB大谷翔平選手が潔白であること、水原一平氏が各方面に嘘をついていたことが判明した模様です(まだ推定無罪)。
「ギャンブルの勝ち金を別口座に入れる」というマネーロンダリングの定番
公表情報で気になったのが、「勝ったお金は水原一平氏の口座へ入金する」という一文。
もちろん、最初から大谷翔平を裏切る気マンマンだったとの証拠でもありますが、これは、見方を変えると、マネーロンダリングでよくある手口と言えます。
マネーロンダリング(資金洗浄)とは
マネーロンダリング(資金洗浄)とは、その名の通り、お金をキレイにすること。
警視庁のHPによると、”犯罪などの手段で得たお金を、一般に、犯罪によって得た収益を、その出所や真の所有者が分からないようにして、捜査機関等による収益の発見や検挙等を逃れようとする行為を言います。”とあります。
つまり、マネーロンダリングをするには、犯罪によって得たお金を、さも真っ当に得たように偽装する必要があります。
銀行口座間の移動はどこまでも追いかけられる
しかし、その偽装は簡単ではなく、銀行間の資金移動というのは、国内銀行を回っている以上、必ず追いかけることができます。
なぜなら、国内銀行間の資金移動というのは、基本的に日本銀行にそれぞれの銀行が保有している口座(日銀当座勘定)の間での数字の振替だからです。
一般の方は、例えば三井住友銀行がみずほ銀行に対し、あなたに変わって振込をしている(お金を運んでいる)と思っているかもしれませんが、そんなことをしていては非効率であるため、単にデータだけをやり取りし、その日1日分の差引の増減を日銀当座勘定でプラスマイナスする、というやり方になります。
これは「全銀ネット」というシステムで統括されていて、このシステム上でのやり取りはきちんと監視されています。
振り込まれたお金をいくつかに分けて、別々の銀行に振り込んで…という手間をかけたとしても、簡単(ではないかもしれませんが)に見破られてしまいます。
マネーロンダリングでは、一度銀行口座以外のところを経由させる
そこで、マネーロンダリングにおいては銀行口座以外をどうにかして経由させる、というのが手口の1つとなります。それは以下のように行われます(もちろん、水原一平氏が見つかったように、これをやってもバレます)。
ギャンブルの勝ち金に見せかける
例えば、競馬などの賭金や宝くじの購入代金としてお金をいったん使ってしまい、勝ち金を入手する方法です。今回の水原一平氏のケースはまさにこれに当てはまります。
支払った金額(賭金)に対して回収できる金額(勝ち金)が一定の乗率ではないため、ギャンブルに投じられると、勝ち金からはいくら賭けていたのかが分かりません(データが残っていれば分かりそうですが、改ざんは難しくないと考えられます)。
ここで、競馬や宝くじは日本においては公共ギャンブルであるため、負け金はそのまま負け金ですが、仮に、胴元や対戦相手が仲間であった場合、負けた金にみせかけて、資金はそのまま仲間内にプールすることが可能です。
犯罪収益移転防止法を面倒に思わないで
こうしたマネーロンダリングが阻止するための法律が犯罪収益移転防止法です。
日常生活を普通に送っている方からすれば、「銀行の書類がまた増えた」「面倒な認証が増えた」くらいのことかもしれませんが、こうしたものにきちんとご対応いただくことで、マネーロンダリングが防止され、ひいては犯罪による収益の獲得ができなくなります。
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