講義ノート
シンジケートローン(協調融資)概論|アレンジャー、参加行、借り手企業のメリットデメリット
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シンジケートローンとは、複数の金融機関が共同で大口の融資を行う仕組みです。これは主に大企業や大規模プロジェクトに対して用いられます。(対して、各金融機関が個別に貸し出すことをバイラテラルローンということがあります)
シンジケートローンの特徴
シンジケートローンの特徴として、以下の点が挙げられます。
- 複数の貸し手: 一つの金融機関だけではなく、複数の銀行や金融機関が融資に参加します。
- 大規模融資: 通常、非常に大きな金額の融資に用いられ、単一の金融機関では負担が大きすぎる場合に適しています。
- リスク分散: 複数の貸し手が関与することで、各金融機関のリスクが分散されます。
- 組織化された構造: シンジケートローンは通常、主幹事銀行(アレンジャー)によって組織され、他の参加銀行との間の調整を行います。
- 柔軟な条件: 融資条件は、参加する金融機関間で交渉され、借り手のニーズに合わせてカスタマイズされることが多いです。
シンジケートローンが活用される案件の例
シンジケートローンは以下のような案件で活用されます。
- 大規模な企業買収(M&A)
- 大型プロジェクトの資金調達
- 企業の資本構造の再編
シンジケートローンの組成プロセス
- アレンジメント: 主幹事銀行が融資の条件を設定し、他の銀行を募集します。
- シンジケーション: 融資に参加する銀行が集められ、各銀行の融資額が決定されます。
- 契約締結: 融資契約がすべての参加銀行と借り手の間で結ばれます。
- 資金の提供: 融資が実行され、資金が借り手に提供されます。
- 管理と返済: 主幹事銀行が融資の管理を行い、借り手は定められた条件に従って返済を行います。
シンジケートローンは、大規模な融資が必要な場合に有効な手段ですが、複数の金融機関が関与するため、契約の複雑さや調整の必要性が高まるという側面もあります。
シンジケートローンとバイラテラルローン(相対取引による複数行からの融資)は、それぞれ異なる特徴を持ち、アレンジャー行、参加行、借り手企業に対して異なるメリットとデメリットをもたらします。
シンジケートローンのメリットとデメリット
アレンジャー行からみたメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・大規模な取引のリード: 主導権を握り、取引の条件を設定することができる。 ・手数料収入: アレンジメント手数料などの追加収入源がある。 | ・高い責任: 取引の成功に対する高い責任が伴う。 ・複雑な調整: 参加行との調整が複雑になり、通常専用の部署が必要になる。 |
参加行からみたメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・交渉の削減: 交渉に必要なマンパワーを削減できる ・大規模案件への参加: 単独では難しい大規模案件に関与できる。 | ・限定的な影響力: 取引における決定権が限られる。 ・付帯取引機会の逸失:非金利収益獲得機会が限られる |
借り手企業からみたメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・大規模資金調達: 一度に大量の資金を調達できる。 ・シンプルな交渉:アレンジャー行だけと交渉すればよく、シンプル。 | ・手数料:数%程度のアレンジメントフィーが発生する |
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